制御盤 海外規格 CEマーキング対応

CEマーク付き制御盤の迅速な納品を実現

千葉県 MIRAI株式会社様
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導入前の課題

北欧の植物栽培工場で使用される設備において、弊社とは別の盤メーカー様が製作した制御盤を改造してCEマーキングをする案件。

一般的な装置の場合、CEマーキングは「装置」単位で装置メーカー様が行うことになるが、例外的に、プラントなど大型設備の場合は装置単位ではなくコンポーネント単位でマーキングが必要となる場合がある。

今回は仕向地がEFTA加盟国であること、大型の植物栽培工場であること、自治体側から装置単位でのCEマーキングは不要との回答があったことから、お客様の方では日本の仕様のまま対応するつもりであったところ、納入直前に装置単位ではなくコンポーネント単位でCEマークが必要であり、制御盤も対象となると北欧の納入先から連絡があり、急遽当社にご相談いただいた。

【補足】プラントなどでCEマークの対象外であっても、適切な電気規格に対応する必要はあるため、ほとんどの場合、日本の仕様そのままでは対応できない。

導入効果

平均サイズが500mm~600mm角程度の小型の制御盤であったが、合計30面程度と制御盤の数が多い上に、およそ2ヶ月で納品が必要であったため、弊社の知見を総動員してCEマークを行う上での最低限の改造を迅速に実施し、ご希望の納期に間に合わせることができた。

CEマーキングにおいて重要なのは、指令および整合規格において、最適なものを選択できるか、という点である。今回の案件ではとにかく納期が重要であったため、専門的な試験の要求の多い低電圧指令ではなく、弊社でも試験可能な機械指令、整合規格EN60204-1(*1)を軸として対応した。

制御盤は一部の部品の置き換え、配線材料の変更、ブレーカーの追加、電線太さの変更などを実施し、EN60204-1に適合させた。

EMC試験は緊急でも対応可能な試験所を選定し、依頼した。筐体が樹脂製であったため懸念していた放射ノイズが規定を超えてしまったが、試験中に内部にアルミ遮蔽をその場で取り付けることで、試験期間を延長することなく規定値をクリアできた。評価や試験中にその場で不適合箇所を改善できるのは弊社の大きな強みである。

その他様々な手法で指令及び規格の要求を全て満たし、弊社が自己宣言およびCEマーキングを行った。制御盤という単位で弊社が自己宣言するのは極めて稀であるが、装置が建物単位の大型特注品であるため装置単位でのCEマーキングの対象外であり、構成要素のコンポーネントごとにCEマーキングが必要と判断していること、元々の盤メーカーでは自己宣言が難しかったことから、弊社が代わりに盤メーカーとして自己宣言を行った。

専門性が高く、時間的な制約も強い短納期案件であったが、設計段階からご相談いただくことで、全体的に合理的な設計を行い、より安心してご使用いただける制御盤をご提供することができた。

  • *1 EN60204-1:機械安全、機械の電気機器-第1部 一般要求事項。幅広い機械装置の整合規格で、低電圧指令と機械指令の両方を規定している

MIRAI株式会社

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