CEマークとは?取得が必要な製品や取得方法について解説

2023年8月9日

製品を輸出・販売する際、認証の取得を求められることがよくあります。この認証は国や地域によってさまざまな種類が存在していますが、EU加盟国およびEFTA加盟国で使用されている認証 がCEマークです。

ここでは、ヨーロッパ諸国の市場に製品を流通させる際に必要となるCEマークについて解説します。

1. CEマークとは

CEマークとは、EU加盟国およびEFTA加盟国内で使用される製品が規定の安全基準に適合していることを示すマークで、EU加盟国内およびEFTA加盟国内の市場に製品を流通させる際に表示が義務付けられています。

このCEの認証を得る手段としては、第三者認証機関による第三者認証の他、メーカー自身や代理人が製品を確認する場合もあります。

第三者認証では、審査に合格すると認証機関から適合報告書が発行されます。この適合報告書をもとに自社で適合宣言書を作成し、製品にCEマークを表示します。自己認証の場合も同様に、自社での審査合格後に適合宣言書を作成し、製品にCEマークを表示します。これは、自社の責任において規格に適合していると宣言することから、自己宣言Declaration of Conformity(DoC)と呼ばれています。

自己認証では、CE指令に適合しているかを自社内で評価できるため、第三者認証機関へ審査を依頼するよりも評価期間が短く、費用も安く済みます。一方では指令に沿った審査がおこなわれない懸念も出てきますが、自己宣言をおこなうと法的拘束力が発生するため、CE検査などにより指令に適合していないことが明るみに出ると、製品の回収や罰金など、法的な制裁を受けることになります。

さらに、製品の欠陥による事故が発生すると製造物責任(PL)法による処罰の対象になるため、自己認証をおこなう場合には指令に沿った厳格な審査が必要となります。

1.1. CEマーキングとの違い

CEマーキングという言葉が使用されることもありますが、これは名詞と動詞の違いです。CEマークは認証やマーク自体を表しており、CEマーキングはCEマークを製品に表示することや表示のためのプロセスを指しています。

1.2. CEマークの意味と由来

CEはフランス語のConformité Européenne (英語ではEuropean Conformity)の略で、ヨーロッパ適合と訳すことができます。

EUが発足した際、EU加盟国内に存在していたさまざまな規格やルールを統一する必要に迫られました。そこで1985年、EU加盟国内で安全性や品質の基準を統一するための原則であるニューアプローチが、さらに1989年には、製品の適合性の原則となるグローバルアプローチが決議され、CEマークが制定されました。

2. CEマークが必要な国

CEマークが適用される国々は、EU加盟27ヵ国およびEFTA(欧州自由貿易連合)加盟国であるアイスランド、スイス、ノルウェー、リヒテンシュタインの4ヵ国、そしてEUとの間に関税同盟を設立しているトルコの合計32ヵ国となっています。これらの国々に製品を輸出する際にはCEマークが必須となります。CEマーキングされた製品はこれらの国々の市場を自由に移動できるようになりますが、逆にマーキングなしで流通させた場合は罰則が科せられます。

2020年にEUを離脱したイギリスに関しては、離脱後即座に変更という訳ではなく、一定期間CEマークが有効となっています。しかし、一定期間が過ぎると新たにUKCAマークが導入され、CEマークからこのUKCAマークへの移行がおこなわれる予定です。このUKCAマークですが、内容や運用方法に関しては従来のCEマークと大きな差はないと見られています。

3. CEマーキングの認証が必要とされる製品

CEマークのカテゴリは多種多様ですが、代表的なカテゴリは、機械指令(MD=Machinery Directive)、低電圧指令(LVD=Low Voltage Directive)、電磁両立性指令(EMC=Electromagnetic Compatibility)、RoHS指令(Restriction of Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment)の4種類です。

機械指令はほとんどの機械に適用される指令です。低圧指令は交流で50Vから1,000V、直流で75Vから1,500Vで動作する製品が対象となります。これら2つのうちの一方、もしくは両方が、産業機器、医療機器、電化製品など多くの工業製品に適用される重要な指令です。これら2つの指令に関しては、第三者機関での審査、自己認証のどちらでも対応できます。

電磁両立性指令は、対象製品から放出される電磁波が周囲の無線機やラジオの正常な動作を妨げるレベルを超えないことと、通常使用で予想される電磁波にさらされても対象製品が正常に動作するように電磁波耐性を持たせることの2点を満たす必要があり、第三者機関での評価が必要となります。マイクロ波を発生させる電子レンジ、Wi-FiやBluetooth など電波を送受信する機器、さらには電子機器を搭載している機器が対象となります。

RoHS指令 は、製品中の有害物質の使用量に関する指令で、自己認証により対応可能です。指定されている有害物質は水銀や鉛など10種類で、これらの物質の使用量が規定値以下である必要があります。玩具やスポーツ用品、電子製品、産業機械まで、幅広い製品が対象となっています。

4. CEマーキングの取得方法

CEマークを取得するまでにはいくつかのステップがあります。それぞれのステップについて解説します。

4.1. 適用される指令の確認

まず、自社の製品にどの指令が適用されるかを調べます。製品によっては複数の指令が当てはまるため、細部まで確認する必要があります。

4.2. モジュールの決定

CEマークの取得では、製品の種類ごとにモジュールがあります。モジュールとは審査の方法で、自己認証でよい場合はモジュールA、第三者認証機関による審査が必要な場合はモジュールBなどと分けられています。モジュールAとモジュールBのどちらも認められている指令では、自己認証か第三者認証機関による審査かを選択できます。

4.3. 適合性評価の実施

適合性評価は、自己認証の場合には自社にておこないます。CEが要求する規格を満たしているかを検査し、満たしていると判断できれば合格となります。第三者機関で適合性評価をおこなう場合は、第三者機関へ製品を送付し、CEマークの定める手順に従って審査を受けます。

4.4. 技術文書の作成

適合性評価が終了したら、適合性評価方法や結果をまとめた技術文書(TCF:Technical Construction Files)を作成します。自己認証の場合にはすべてを自社でおこないますが、第三者機関がおこなった場合は第三者機関から適合報告書が発行され、これをもとに技術文書を作成します。

4.5. 適合宣言書の作成

技術文書が完成したら、次に自社内で適合宣言書を作成します。宣言書ですので仕様に関して記入が必要な内容は少なく、最後に責任者がサインをして完成します。適合宣言書にサインする人は、責任を取ることができる、社長や部長などの役職の方が適切となります。

4.6. CEマークの貼付

適合宣言書が完成すれば、CEマークを製品に貼り付けることができます。CEマークはデザインが決まっているためデザイン通りであれば問題ありませんが、せっかくの認証ですので、よく見えるサイズでよく見える位置に貼ることが望ましいでしょう。

5. 三笠精機ではCEマーキング適合支援をサポート

これまで三笠精機にてCEマークに対応した事例をご紹介します。

あるメーカー様のCEマーキングサポートをおこなったときの事例です。そのメーカー様は、日本で製造した制御盤と機械をヨーロッパへ出荷する際にうっかりCEマーキングを忘れてしまっていたと、慌てて三笠精機にご連絡をいただきました。通常、マーキングには3ヵ月程度はかかりますが、出荷が迫っており、1.5ヵ月という通常の半分の期間での対応をご要望でした。

認証は手順を踏まなければならないものであり、そう簡単に短縮できるものではありません。打ち合わせではお客様の担当者たちが相当焦っている様子が伝わってきました。その様子を拝見し、「我々がやるしかない」との思いで、このご依頼をお受けすることになりました。

さっそく製品の各種図面を確認し、CEマークの適用指令は機械指令と電磁両立性指令であることがわかりました。さらに調査を重ね、規格を満たしていない部分を洗い出すと共に、並行して機械指令と電磁両立性指令それぞれの専門のエンジニアをヨーロッパに急行させました。

本来、当社でCEマーキングサポートをおこなう際には、設計の段階からリスクアセスメントをおこないます。しかし、今回のご依頼では製品はすでに完成していました。また、製品自体は安全を意識して設計されていましたが、CE指令の要求と比較すると大きな差があり、この差を埋める修正をおこなう必要もありました。そこで、当社でのリスクアセスメントは審査後におこなうことにし、要求を満たすための修正点は現地へ派遣したエンジニアたちが急ピッチで対応。ご依頼から1ヵ月強で修正を完了しました。

しかし、修正完了は審査の始まりにすぎません。エンジニアたちも、修正完了後すぐに機械指令審査の対応をスタート。審査開始から1.5日で大きな問題もなく無事終了しました。一方、電磁両立性指令の審査には3日かかりましたが、こちらも無事に審査合格の報告を受けました。それぞれの指令の適合報告書をお客様へお渡しし、最後にリスクアセスメントも無事終了して、技術文書および適合宣言書を作成いたしました。

CEのマニュアル作成に関してはCE独特の記述など難しさがあり、専門的な知識が必要となります。三笠精機ではこのマニュアル作成も熟練のスタッフが対応しているため、こちらも問題なく終了し、ご要望通り1.5ヵ月という短期間でCEマーキングが完了しました。

マーキング後は、トラブル回避のため、CEマークは制御盤か機械装置どちらかのオペレーターが目視しやすい位置に貼り付けることと、CE検査がおこなわれることを想定して技術文書や適合宣言書の書類のコピーを製品と一緒に送付することをお客様へアドバイスさせていただきました。製品は現在、問題なくヨーロッパの市場に流通しているとのことです。

三笠精機では、CEマークに限らずさまざまな海外規格の認証に多数の実績があり、お客様のご要望にお応えできる自信があります。海外規格のことならぜひ三笠精機にお任せください。

6. まとめ

CEマークはEU加盟国や関係国に製品を輸出する際に取得すべき認証で、多くの製品が対象となっています。

CEマークは自社の製品を自社で審査する自己認証を認めていることが特徴であり、自己認証がスムーズにできれば経費節減や期間短縮につながります。しかし、自己認証に不備があると法的な制裁を受ける恐れがあります。

自己認証をおこなう際は、万が一の事態に備え、CEマーキングのサポート経験が豊富な三笠精機へぜひご相談ください。