制御盤 海外規格 CEマーキング対応

海外規格の細部まで精通し、装置の特徴とお客様のニーズを見極めた提案力で課題解決

神奈川県 積層造形装置メーカー・C社様
  • #コンサルティング

導入前の課題(今回の依頼内容)

工業用3DプリンターのCEマーキング(*1)対応を他社に依頼中だった積層造形装置メーカー様からの依頼。類似機種の規格対応が追加発生したが、すでに依頼している他社のリソースが限界だったため、ご依頼いただいた。

導入効果

機械装置にCEマーキングを表示するには、機械指令、低電圧指令、電磁両立性指令などを満たさなければならない。そのうち機械指令では指令の必須要求事項を規定したANNEXⅠ(*2)を、機械指令・低電圧指令の両方に存在する整合規格として電気安全の一般要求事項を規定したEN60204-1(*3)を適用するのがオーソドックスな手法である。すでに他社で対応中の対応規格がANNEXⅠおよびEN60204-1で進行中であったことから、弊社にもこの2つの規格への対応を依頼いただいた。

このように詳細な適合規格の指定を受けることもあるが、弊社では、それがお客様のニーズに本当に合致しているのかどうかを必ず検討している。今回の場合、詳しくヒアリングして精査した結果、機械指令としてANNEXⅠおよびEN60204-1を適用した自己宣言も可能だが、低電圧指令でコンシューマ向けの情報技術機器に多く適用される規格EN60950-1(*4)の適用が、より相応しいことが分かった。

今回の3DプリンターとEN60950-1は、製品の特徴として符合点が多く、必要十分な評価を行うことが可能であった。また、3Dプリンターの制御盤が搭載型であることから、お客様は省スペース化も重視していた。

完全な工業環境用途である機械指令ANNEXⅠ+EN60204-1と比べ、コンシューマ寄りのEN60950-1は小型化が実現できるため、その点でもEN60950-1の方が適していると判断した。

さらに、EN60950-1は低電圧指令の整合規格のため、1つの整合規格対応のみでの完結が可能であることも大きなポイントであった。機械指令ANNEXⅠおよびEN60204-1の2つの要求事項を満たす場合と比べて、コストも下がり、納期短縮を実現できた。結果として、1件目を機械指令で進行させていた他社では完了までに1年以上の時間がかかったところ、弊社では実機改造ベースにて2ヶ月半で納品することができ、大変喜んでいただいた。納入後には弊社で第三者認証機関を手配し、低電圧指令およびEMC指令の評価・試験を実施したところ、大きな指摘をされることもなく無事に完了し、お客様サイドで無事にCEマーキングの自己宣言を完了させることができたとのことだった。

弊社では、規格の細部にまで精通しているため、装置の特徴とお客様のニーズを見極め、お客様に最適なご提案を行うよう心がけている。今回のご案件ではそれがキーとなり、お客様が当初求められていた以上の成果を上げることができた。

  • *1 CE(European Conformity):EU圏で流通する製品が満たさなければならない欧州指令(法律)。製品の規格対応を適切に行い、その証拠となる書類を揃えて“自己宣言”することで初めて表示が可能となる
  • *2 ANNEXⅠ:EU機械指令付属書Ⅰ。機械類の設計と製造に関する必須健康安全要求事項
  • *3 EN60204-1:機械安全、機械の電気機器-第1部 一般要求事項。幅広い機械装置の整合規格で、低電圧指令と機械指令の両方を規定している
  • *4 EN60950-1:情報技術機器-安全性-第1部、一般要求事項。PCやコピー機をはじめ、オフィス用途の機器に適用されることが多かったが、現在は後継規格 EN62368-1に移行している
https://www.seigyobann.com/wp/wp-content/uploads/2022/03/ico_service_international.svg

制御盤海外規格

数多くの海外規格案件をサポートした実績に基づき、海外規格に適合するための設計変更に加え、制御盤を搭載する装置全体に対する電気面、ハード面でのコンサルティングに幅広く対応いたします。
規格要求の厳しい欧州向けCEマーキング対応した案件について多数の実績があるため、ご相談いただく個別の案件においても的確かつ迅速な対応が可能です。また北米向けのUL508A認証制御盤の製造についても多数の実績がございます。
海外規格に適合した設計とともに、マニュアルを含むドキュメントの作成・整備、顧客との契約上の注意点や海外に装置を輸出する上での全般的なコンサルティングを提供いたします。

海外規格を詳しく見る