機械類の具体的要求事項

2022年3月16日

個別規格への適合

機械類の製造においては、製品個別の規格の有無の確認から始める必要があります。

JIS Z 8051 (ISO/IEC ガイド51)での規格適合の原則は、

  • 製品に特化した個別規格がある場合はそちらを優先する
  • 個別規格がない場合や、あっても細かな要求がない事項についてはグループ安全規格を適用する

というものです。

一般的に、市場規模が大きく流通量が多い製品カテゴリや危険性の高い製品カテゴリの場合は、個別規格が存在することが多いです(工作機械やプレス機械など)。なお、複合的要素のある機械など、適用すべき規格について判断が難しい場合はご相談ください。

電気規格への適合

装置は『個別規格への適合』に記載した機械構造的な要求の他に、電気的な要求にも適合させる必要があります。一般的な機械の場合は、基本的にJIS B 9960-1 (IEC 60204-1)への適合が必要です。欧米でもNFPA79やEN60204-1など、ほぼ同様の要求があります。

なお日本には、古くから「内線規程」に代表されるJEACなどの民間自主規格が存在しますが、IEC規格への整合化が完了していないものも多く、注意が必要です。民間規格ですので、追加で要求される場合に適合させること自体は問題ありませんが、適切なJISやIECの規格に不適合となる要素があれば、JIS規格を優先すべきと考えられます。機械類の制御盤でよくある事例としては、スイッチの色や電線色はIEC60204-1 (JIS B 9960-1)で推奨色が限定されていますので、AC/DCの全ての制御線が黄色であったり、起動ボタンが赤色といったものは、個別規格で規定がない限りはNGとなると考えられます。

三笠精機では、電気規格への適合を標準としておりますので、グローバル共通設計にもすぐに対応が可能です。また、特別仕様なども個別に読み解き、規格に抵触するかどうかを確認の上、一部の不適合箇所のみ代替案を提案させていただくこともできます。

マニュアル

装置のマニュアルは、ユーザーが作業を行う範囲全てを網羅する必要があります。トラック車上渡しであれば運搬・据付のマニュアルが必要ですし、解体時に残圧がある場合には廃棄マニュアルが必要となります。欧州の機械指令ではそのあたりが明確に規定されていますが、日本でも米国でも、安全に使用するために必要な情報提供は必須条件です。

三笠精機では、マニュアルの添削にも対応いたします。各規格で必須とされる項目に漏れがないかの確認や、リスクアセスメントシートなどの他のドキュメントとの整合性確認、第三者目線での指摘は高い評価をいただいています。