【National Electrical Code】「適合証明」の方法とは?

2026年3月24日

前回、NEC(National Electrical Code(NEC, NFPA 70))のなかで、特に重要となる「承認」の考え方について整理しました。

今回は、「NEC Article 110.2(Approval)」に続く、「Article 110.3」と両者の関係について考えてみます。

「NEC Article 110.2(Approval)」では、承認の必要性および承認するのは誰かを示しています。ポイントは次の2点です。

・導体および機器は承認されなければならない。

・承認するのはAHJ(Authority Having Jurisdiction)である。

では「Article 110.3」とは?

「NEC Article 110.3」に記されているのは、安全性、および規格適合の証明方法についてです。

①機器の審査、特定

②据付け、仕様

③リスティング(製品認証)について

①機器の審査、特定

機器を判断する場合、設置の規格への適合性、機械強度、耐久性、配線スペース、電気的絶縁、正常時・異常時の発熱の影響、アークの影響、電圧・電流のクラス、機器を使用する人への安全に寄与する要因などを評価しなければならない。

②設置と使用(据付けと仕様)

リステッドまたはラベリングされた機器は、リスティングまたはラベリングに含まる指示に従って据付けおよび使用されなければならない。

③リスティング、認証

試験と認証の義務については、製品試験、審査、リスティング(製品認証)は、認定された「適切な電気試験機関」により行われなければなりません。

規格の適合性について、試験と認証は、規格に適合して設置された機器に対して安全性が同等かつ有効であることを認められた製品規格に従う必要があります。

ポイントとなるのは下記です。

OSHA(Occupational Safety and Health Administration:米国労働安全衛生局)

特定の製品が建設および一般産業の電気安全基準をみたすことの確認ための試験機関を認定しています。なお、試験機関とはNationally Recognized Testing Laboratory認証機関のことです。

原文を引用してみましょう。

If the listing (product certification) is done under a qualified electrical testing laboratory program, this listing mark signifies that the tested and certified product complies with the requirements of one or more appropriate product safety test standards.

その認定機関によりリスティング(製品認証された製品)の場合は、その製品が適当な安全試験規格の要求を適合していることを示しています。

【ポイント集】「Article 110.3」安全性、および規格適合の証明方法とは?

Q1,リスティングされている製品であれば無条件で承認されるのか。

リスティングされていることは非常に有利ですが、110.3 (B)によりリスティング、ラベリングの指示に従って据付けおよび使用されている必要があります。

Q2,設計者が規格適合しているといえばよいのでしょうか。

A,2 110.2によりAHJによる承認が必要です。設計者や設備メーカーの判断だけでは承認とはなりません。

Q3, 設備にCE MARKINGがあればよいのか

A3,NECではCE MARKINGを条件にはしていません。

Q4,一品物について

海外へ機械設備を仕向ける場合は、顧客仕様に従った一品一様になることがあります。

例えば、部品単位ではリスティングされていても設備単位ではリスティングされていないことがあります。そのような場合は、認証機関によるフィールエバリュエーションが有効な選択肢になります。特に産業機器であればNFPA79への規格適合が問われることが多いです。

製品にNRTL(OSHAにより認められた第三者試験認証機関)のリスティングマークが付いていると、AHJによる承認が得やすくなります。NRTL制度はOSHAが管理しており、適切な範囲での認証は現場での承認手続きを円滑にします。

【まとめ】実務でのポイント

NEC 110.2は承認について規定しています。AHJが最終判断をします。

一方のNEC 110.3は規格適合、安全性の示し方、リスティングについて示しています。

リスティングは、「規格適合の証明手段」であり、承認はAHJの判断になります。つまり北米向けのプロジェクトでは、誰が承認し、何を根拠に判断するのかをプロジェクトの初期段階から整理することが重要です。