制御盤の成り立ち

2022年3月16日

制御盤とは、電気で動作する装置の動作を制御するもので、一般的に金属の箱(盤)の中にまとまっています。ヒーター単独、モーター単独といったように、装置そのものがシンプルだった時代は、部屋の照明と同じように、直接動力を切り替えていました。

モーター類の大型化に伴い使用する電圧や電流が大きくなった結果、電源電圧を直接操作するとアークなどのリスクが出るようになり、コンタクタなどの別の操作電圧を利用して電源回路の切り替えを行うようになりました。

装置が徐々に複雑になるに従い、複数のモーター類を組み合わせて加工することが必要となり、その結果、操作が煩雑となって操作ミスによる事故が増えました。そこで、センサー類を利用した自動動作という方法が取られるようになりました。その後、さらに複雑な動作をする装置が必要になると、リレー回路が一気に複雑になり、コストが大幅に増加しました。それを解決するものとしてコンピューターが生まれ、産業用の制御装置であるPLCが誕生しました。複雑な回路は、コンピューター制御により、センサーやスイッチを入力回路として取り込んでリレーやコンタクタへ出力するという単純な回路構成が可能となり、複雑な構造の装置が次々と生み出されました。

その後、タッチパネル操作、遠隔操作、無線操作、スマホ連携、AI連携などさらに高度になると、それらの制御装置の故障によるリスク回避のためにさまざまな安全回路の概念が生み出され、複雑な制御はシンプルに、危険な部分は合理的な安全設計というように発展を続けています。