改めて自己宣言を理解する

2022年3月16日

「自己宣言」はCEマーキングに関連するキーワードとして認知度が高いといえます。一方で、誤解されやすい言葉でもあります。

例えば「自己責任とは、製造者責任としての責任を負うことを宣言する」と理解されることがあります。しかし、これは最も重要なポイントが抜けています。すなわち、必要な規格や法令に適合しているかどうかという要素です。

 CEマーキングやその他規格対応における自己宣言とは、「認可」や「認証」と対比されるものです。

■ULとCEマーキング“ゴール”のちがい

認可とは、役所などに申請して評価を受け、販売や使用の許可をもらうことを意味します。また認証とは、いわゆる第三者認証機関などが特定の規格などに適合しているかを審査し、適合していることを証明するものです。

認可・認証とも、メーカーではない第三者が判断するという性質のものであり公正公平に思えます。しかし、「役所がいいと言ったので大丈夫」「何か問題があっても当社に責任はない」といった考え方に陥る可能性があり、注意が必要です。 

自己宣言とは、その製品について最も詳しい専門家であるメーカーが、必要な法令や規格に適合していることを自ら確認し、顧客など外部に対して「絶対に大丈夫である」と宣言することです。

CEマーキングで要求される事項は広範囲にわたり、初めて対応するメーカーにとってハードルが高いことも事実です。一方でメーカー側に求められるレベルは高くなりますが、プロとしての意識が高まり、結果としてより正しく安全な製品ができる結果につながるとも言えます。