Q DC電源でトランスの省略ができるケースとは?
2017年7月20日
制御回路がDCのみなら、絶縁トランス内蔵でDC電源を使ってトランスを省略できます。
IEC60204-1には制御回路の定義があり、それによると制御回路は分離巻き線型のトランスから供給されている必要があるとされています。
通常はトランスが制御回路の始点となります。 そのため、一般的にDC電源は制御トランスから給電する必要があります。
■一般的な制御回路(左)と直接DC電源を接続する回路(右)

一般的なDC電源内部にはトランスが組み込まれており、それが規格要求(主に絶縁)を満たす場合は制御トランスを省略することができるとなっていますが、厳密には、IEC61558-2-16で分離巻き線型のトランスが定義されており、これを満たしてはじめて制御トランスの省略が可能となります。
また、IEC61558-2-16は2013年に改訂されており、省略するには最新版を満たしていることが必要です。
トランスは上位のブレーカーの定格値の要求が厳しいですが、一般的なDC電源内部にそれを満たすヒューズが内蔵されているため、ユーザーは、メインブレーカーの直下にDC電源を配置するだけで問題ありません。
詳細は部品のマニュアルをご確認ください。
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