制御盤 海外規格 UL508A 規格対応

コンサルティングから、CADによる製図、製造、大規模工場での高難易度の設計対応

長崎県 制御盤メーカー・K社様
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導入前の課題(今回の依頼内容)

制御盤メーカー様からの依頼。製鉄所で稼働する加熱装置制御盤のUL508A(*1)規格に対応する必要があるとのことで、コンサルティングから、CADによる製図・製造、ラベルを貼る最終段階までを依頼いただいた。製鉄関連のお客様で、装置の規模はかなりのもので、高難易度の設計が必要となる案件だった。

導入効果

通常の海外規格対応サービスでは、仕様変更の完了した図面を用意してもらい、そこから弊社で規格に対応するための朱書きを実施し、お客様サイドでCADに反映していただくというフローを取る。一方、今回の加熱装置は新規で製造する機種であり、図面が不完全で変更が広範囲に及ぶため、弊社で一からCAD図面を作成することとなった。

設計する中で最もハードルが高かったのは、大型トランスのある大規模工場であるがゆえの、SCCR(*2)要求値の大きさであった。通常の工場では10kA定格程度でよしとされるところを、今回は実に65kAという値。50kAを超えると対応できるパーツ構成が極端に少なくなり、規格対応の難易度が上がる。

それに加え、ヒーターの絶縁破壊故障特性から、漏電ブレーカーを必ず実装するということをお客様から求められていたが、漏電ブレーカーが一般的なのは日本のみで、65kA定格というSCCR要求値を満たす漏電ブレーカーがなかった。高いSCCR要求値と漏電ブレーカーの実装―この相反する要素の両立が設計に求められた。

そこで弊社から、ヒューズをうまく使う方法を提案した。漏電ブレーカーを含むブレーカーを使う場合には、ブレーカーが飛ぶまでのコンマ数秒の間、65kAの大電流が流れてしまう。そのため、ブレーカー以下に構成する部品に関しても全て65kAのSCCR要求値をクリアする必要がある。しかしブレーカーではなくヒューズを使えば、大電流が流れた瞬間に切れるため、ヒューズ以下に構成する部品はヒューズ通過電流以下でも問題がない。こうして短絡対策をヒューズでクリアし、漏電ブレーカーは短絡保護ではなく漏電遮断の機能だけを期待する形で実装した。この方法によって、65kAのSCCR要求値に対応しつつ漏電対策も取れたUL508A認証制御盤が無事に完成した。厳しい条件下でもお客様の求める機能を確実に実装する、弊社のアイデアと技術力が発揮されたケースとなった。

ULラベル
  • *1 UL508A:アメリカ保険業者安全試験所(Underwriters Laboratories Inc.:UL)が定める製品安全規格ULのうち、産業用制御盤に対する規格
  • *2 SCCR(Short Circuit Current Rating):短絡電流定格。制御機器ごとに持っている値で、耐えられる短絡電流の大きさを表す
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制御盤海外規格

数多くの海外規格案件をサポートした実績に基づき、海外規格に適合するための設計変更に加え、制御盤を搭載する装置全体に対する電気面、ハード面でのコンサルティングに幅広く対応いたします。
規格要求の厳しい欧州向けCEマーキング対応した案件について多数の実績があるため、ご相談いただく個別の案件においても的確かつ迅速な対応が可能です。また北米向けのUL508A認証制御盤の製造についても多数の実績がございます。
海外規格に適合した設計とともに、マニュアルを含むドキュメントの作成・整備、顧客との契約上の注意点や海外に装置を輸出する上での全般的なコンサルティングを提供いたします。

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