https://www.seigyobann.com/wp/wp-content/uploads/2022/03/ico_service_international.svg 制御盤 海外規格

数多くの海外規格案件をサポートした実績に基づき、海外規格に適合するための設計変更に加え、制御盤を搭載する装置全体に対する電気面、ハード面でのコンサルティングに幅広く対応いたします。
規格要求の厳しい欧州向けCEマーキング対応した案件について多数の実績があるため、ご相談いただく個別の案件においても的確かつ迅速な対応が可能です。また北米向けのUL508A認証制御盤の製造についても多数の実績がございます。
海外規格に適合した設計とともに、マニュアルを含むドキュメントの作成・整備、顧客との契約上の注意点や海外に装置を輸出する上での全般的なコンサルティングを提供いたします。

海外規格対応で悩んでいませんか?

  • 海外規格対応しなくてはいけないけれど、何から始めればよいか分からない方
  • 海外対応しようと調べているが、どこの会社に頼めばいいか迷っている方
  • 事業拡大にあたり、早急に海外対応を必要としている方
  • ある程度TD(TCF)を揃えたが、漏れがないかの判断に迷われている方
  • 認証機関に評価を依頼したが、具体的な回答が得られず時間がかかっている方

制御盤海外規格とは?

制御盤の規格には、「国際規格」、「地域規格」、「国家規格」、「団体規格」の4種類があります。海外規格の特徴は、高い「安全性」と「信頼性」を要求される点です。
三笠精機では、制御盤設計において、各国の規格の種類や内容をあらかじめ把握し、安全性や信頼性が高く、かつ省配線化やメンテナンス性構造などの付加価値を高めた制御盤の設計・製造を行っています。

御社の制御盤は海外規格に対応されていますか?

プリチェック
御社の製品、海外の出荷先で本当に使えますか?

既存の電気図面を海外で要求されるレギュレーションに対応させます。
IEC/EN 60204-1、ANSI/NFPA79、UL508Aなどの規格に従って、電気回路設計を行います。感電防止、火災防止、異常動作防止の重要な3つのポイントを押さえ、電気的リスクを低減します。
また欧州EMC指令に対応する為にノイズ対策を見込んで設計段階から対策を盛り込んだり、要求されるSCCRへの対応においても制御機器の組合せ認証品の選定など様々なノウハウで省設計・省配線を考慮しながら、安全性と信頼性を確保した電気設計を行います。
安全関連回路に関しては、お客様の製品リスクアセスメント結果に従って最適な回路を構築します。本格的なリスクアセスメントを行う方法が分からない、あるいは再度アセスメントを実施をする必要がある場合にも、弊社エンジニアが総合的にサポートします。
お客様で作図された海外対応の図面チェックや、機器選定などの部分的な対応も可能です。

ハード設計
国内の電気図面を海外で要求されるレギュレーションに対応させます。

御社の製品、海外の出荷先で本当に使えますか?欧州、北米、アジア。いずれも日本とは違った安全規格が求められます。製品の輸出にあたっては、各国の安全規格に適合した製品づくりが必須となります。それでは、具体的に何をすればいいのでしょうか。
お客様の製品の設計状況を確認して規格の不適合箇所を洗い出し、必要な改善案を検討することが最初のステップとなります。製品の開発段階でこうした事前チェックを実施することで、規格対応のスピードアップやコストダウンにつなげていきます。
日本と欧米では、安全規格の前提となる設計思想そのものが異なります。
「機械は壊れ、人は間違える」というのが欧米の設計の前提にあり、どのような使用状況でもエラーを未然に防げるようなシステム設計が求められています。
例えば感電保護機器。国内で多く使用される漏電遮断器(30mA・100ms)を、欧米では感電保護として認めていません。人体保護には感度5mA程度の漏電検出が必要とされます。「この程度で大丈夫だろう」と設計した感電や火災、異常動作などへの防止措置が、欧米の規格では不適合となるケースがあります。
弊社では、お客様の製品分野や規格内容に応じて、専門のエンジニアが製品のリスク査定を行い、設計の変更点や改造点を明確にします。その上で、製造から出荷に向けたスケジュールを組むことで、準備不足による不要な手直し、想定外の設計の見直しをなくしていきます。無駄な時間、費用をかけずに最短距離で自己宣言や安全認証を実現し、お客様の製品を海外のエンドユーザーへ届けるサポートを行います。

ソフト設計
ソフト設計の段階で出荷先に合わせたプログラムの置き換えが必要です。

海外の製造現場へお客様の製品を導入する際は、製造ラインの各設備を制御するPLC(プログラマブル ロジック コントローラ)が、海外メーカー製であるケースがあります。
こうした場合では、海外規格への対応のほかに、ソフト設計の段階で製品プログラムの置き換えが必要となります。
日本国内では三菱電機、オムロン、キーエンスなどのPLCプログラミングが主流ですが、欧州ではシーメンスやABB、米国ではアレン・ブラッドリー、ロックウェルなどが多く、アジアでもこうした欧米のPLCが使われることがあります。
また、製造ラインの設備間で情報をやり取りする通信規格も国内と海外では違う場合もあります。
お客様でこういったご対応が難しい場合は、ご要望に応じて現行のプログラムやフローチャート、ハードの図面などをいただき、弊社や業務提携先の技術者が、出荷先に合わせたプログラムの置き換えを行います。

組立・配線
組み立て・配線 海外の規格要求に関する豊富な組立配線ノウハウがあります。

国内向けの制御盤製作のノウハウがそのまま海外でも通じるとは限りません。
「海外向けの回路図の通りに製作する」=「海外向けの制御盤製作の実績がある」
では実際の配線状況はどうでしょう?国内向けと同じ製作ノウハウで製作していませんか?
上の式は海外の制御盤の製作ノウハウを用いたのであれば○となりますが、国内向けの製作ノウハウで対応した場合、△や時には×となります。
安全関連回路に関するアプローチは、設計思想や電源電圧方式によって異なります。また図面には詳しく表記されないタップルール、保護ボンディング回路構成などは最低限製作ノウハウとして理解しておく必要があります。
弊社では主要規格の施工方法について、写真やイラスト、回路図等の具体的な資料を元に作業者への教育を行っていますので、ミスやロスのない最適な製造が可能です。
規格要求に対して海外のメーカー製の制御機器を用いることもありますが、弊社では海外の主要制御機器メーカーの仕入も可能です。
Rockwell/Allen-Bradley、EATON、BUSSMAN、Wohner、SIEMENS、ABB、E-T-A、WAGO、Rittal、Schroffなど、様々な海外メーカーに対応可能です。

評価・試験
完成した製品が海外規格要求事項に適合しているかどうか、第三者認証機関によって評価・試験を行います。

第三者認証機関とは、米国の場合はNRTL、EUではNotified Bodyと呼ばれる団体で、TUVラインランド、TUVズード、SGS、インターテック、UL、Nemkoなどがあります。

これら第三者機関は、ISO17065(製品、プロセス、サービスの認証を行う機関に対する要求事項)の要求を満たした団体で、認証範囲(scope of certification)も細かく決められています。

日本では一般財団法人電気安全環境研究所(JET)などが該当しますが、海外の規格の認証が可能なのは主に上記のような海外の認証機関です。

仕向先地域の安全規格団体から認可を受けた認証機関・検査機関が発行した規格適合証明書や評価レポートは海外規格への適合を立証する為の重要なエビデンスとなります。

適合審査および試験・検査の対象項目(適合させる規格など)は納入先の地域や国によって適用が異なり、またお客様の設備の構成内容によっても異なります。

委託する認証機関・検査機関選びも重要なポイントとなり、その選定・手配も対応します。

※審査や検査単体も手配・実施可能ですが、最終審査を委託する認証機関に「プリチェック」も依頼し、手戻りを減らすことをおすすめします。

また、各種マニュアルや技術文書の作成アドバイスや翻訳(UL、CE共に基本的には英語での作成が必要ですが、条件により納入先の母国語での作成も必要となります)のサポートも可能です。マニュアルや技術文書も製品の一部であり、認証機関での審査の対象となります。

よくある質問

Q.制御盤製造のみの依頼だけでも受けてもらえますか?

製造のみのご依頼も承っております。また、認証取得のための技術指導、設計指導のみのご依頼もお受けしております。
製造中に、いただいた図面では規格に不適合な箇所が確認された場合にはご連絡させていただき、図面変更のサービスを追加でご活用いただくことも可能です。

Q.国内向けの図面はあるのですが、海外安全規格への変更は可能でしょうか?

問題ありません。経験豊かな設計スタッフが、国内仕様図面を仕向地で要求される安全規格に対応する図面に変更します。PDFに朱書きを行いますので、御社の設計者様にて修正をお願いします。
これまでの実績では、3回前後のやり取りで規格に適合した図面になります。

Q.制御盤の製造は自社で行いたいのですが、それ以外の対応を行ってもらえますか?

問題ありません。認証取得のための技術指導、設計指導のみのご依頼も承っております。また試験・認証機関の手配も行っております。

Q.依頼するにあたって何が必要になりますか?

以下をいただければすぐに具体的な打ち合わせや概算見積が可能です。

  • 仕向け地の情報(特に国、アメリカの場合は州まで)
  • 装置概要のわかる資料(カタログ、写真、動画など)
  • ユーザー様などの要求仕様書(特に規格番号などが明記されているか)
  • 参考回路図などの制御盤図面


守秘義務契約書等が必要な場合は草案をお送りください。
また、細かな資料がない場合でも弊社から要点を質問しますので、ご回答いただければお見積り可能です。

Q.社内で海外規格について詳しく知りたいのですが複数人を対象にした出張セミナーなど行ってもらえますか?

もちろん可能です。これまでも様々な企業様向けに電気規格や機械安全など様々な内容の出張セミナーやオンラインセミナーなどを行った実績がございます。
仕向け地や適合規格、課題、日程、対象者様の職務範囲、人数など、お客様に合わせた最適なコンテンツをご用意します。

Q.NFPA 79とは何ですか?

NFPA 79とは、NFPA(National Fire Protection Association:全米防火協会)が策定している火災及び電気的な危険から作業者、設備、機器、仕掛品の保護を目的とした産業機械の安全規格のことです。米国においては「機械」に対し適合させることが求められている規格です。

Q.UL508Aとは何ですか?

UL508Aとは産業用制御盤の回路構成、部品構成、筐体構造などを定めたUL規格です。UL508Aは、適切な部品選択、配線方法、SCCRの計算方法などを規定しています。三笠精機はUL508Aの認証制御盤メーカーであるため、UL508Aに適合した設計および製造を三笠精機が行った制御盤にはUL Listedラベルを貼ることができます。
UL Listedラベルが貼られていることは、すなわち安全基準を満たしていることの証明になります。

>UL508A規格対応:CADによる製図、製造、大規模工場での高難易度設計の実績を見る​

Q.NFPA 79とUL508Aの違いは何ですか?

NFPA 79が「産業機械」に対する規定を示しているのに対して、UL508Aは「制御盤」の安全性を担保するための基準について規定されています。例えばUL508Aでは、制御盤内で使用できる部品が詳細に指定されており、制御盤のSCCRの算出方法も具体的に示されています。

Q.SCCRとは何ですか?なぜ重要なのでしょうか?

SCCR(Short-Circuit Current Rating)とは短絡電流定格のことです。2017 NEC, Article 100においてSCCRは「The prospective symmetrical fault current at a nominal voltage to which an apparatus or system is able to be connected without sustaining damage exceeding defined acceptance criteria」と定義されています。つまりSCCRは、衝撃や火災を起こすことなく機械・機器の安全維持が可能な最大の短絡電流値のことです。制御盤のSCCRは各部品のSCCRに基本的に基づきます。SCCRが低い装置(制御盤)を短絡電流の大きい大型トランスの二次側で使用した場合、火災などに繋がることから産業用機械の設置おいて近年重要性が増しています。

Q.米国へ輸出したいのですがどれくらいの製作期間が必要ですか?

製品の内容によりますが、通常の国内向けの設計・製作にあてる計画時間より、最低でも2~3ヶ月は余分に見込んでいただくのが安全です。この2~3ヶ月には、輸送に係わる時間は含まれておりませんのでご注意ください。

Q.SCCRに関して装置発注元(施設管理側)と製造者との関係はどのように考えればよいでしょうか?

一点物の場合、発注元(施設管理側)が、電気的に安全な設備を必要とするために要求SCCR(基本的に装置に供給する電源トランスの大きさに比例)を製造者に指定します。製造者は、当該指定に基づき、要求SCCRを満たす装置を設計製造することになります。量産の場合は、装置メーカー側が業界や製品カテゴリーを元に最適なSCCRを自ら決定して設計、製造します。ユーザーは、装置設置場所における推定短絡電流を算出し、それ以上のSCCRを持った装置を設置する義務があります。また装置メーカーでもある製造者はSCCRを正しく計算し銘板に記載することが求められます。従って、製造者の製造した装置が要求SCCRを満たしていたか、またSCCRが正しく計算され銘板に記載されているかが重要なポイントになります。

Q.制御盤のSCCRはどのように決定しますか?

以下のポイントに基づきSCCRを概ね決定できます。
盤内で最も低い部分の短絡定格 = 盤のSCCR

  • 対象品目の確認(負荷以外の動力回路機器全て)
  • 各部品のSCCRを確認。メーカーがSCCRを表記していない場合はUL508A Table SB4.1を参照してください。
  • 組み合わせSCCRの確認。メーカーカタログ等を確認してください。
  • 限流効果の確認。UL508A SB4.2を参照してください。

ただし上記のみでは詳細部分での見落とし可能性もありますので、必要な場合は個別にご相談ください。

Q.一般的に要求されるSCCRはいくつでしょうか?5kAで通常大丈夫でしょうか?

ほとんどの産業機器において、5kAのSCCRでは故障電流として十分とは言えません。例えば自動車業界や食品、飲料業界では65kAが求められ100kAが必要なこともあります。
量産の場合は、その業界や消費電流を元に最適なSCCRを決定し設計する必要があります。個別案件の場合は設置先の要求SCCRに基づき設計する必要があります。盤内機器単体では最大でも10kAのSCCRしか持たない機器等もあり、それらのSCCRを向上させるためには組み合わせ評価、もしくは指定されたヒューズ等で限流させる必要があります。

Q.制御盤のSCCRを増加させるためにはどうすればよいですか?

一般的に以下のような対応を行うことで制御盤のSCCRを増加させることができます。

  • 単独でより高いSCCRをもつ部品を使用する。
  • メーカーにより既にテスト認証された組み合わせでの部品を使用する。
  • 限流ヒューズを使用する。
  • トランスを使用する。装置内・装置外どちらでも配置可能。

Q.コンビネーション・モーター・コントローラー、モータープロテクター、コンタクター、インバーター及びサーボドライバーなど単体SCCRが定められている場合、上位の保護機器は考慮不要ですか?

部品マニュアルの推奨保護機器をご参照ください。保護機器として組合せ可能な回路ブレーカーやヒューズの最大アンペア定格が記載されている場合は、その要件を満たせばどのメーカーの保護機器でも使うことができます。しかしモーター・サーキット・プロテクター(瞬時動作の回路ブレーカー)、高速の半導体ヒューズなどが指定されている場合は、指定された部品番号の過電流保護機器のみを使用しなければなりません。またブレーカーとコンタクターの組み合わせでは、その組み合わせでのSCCRが評価されていたとしても、サーマルリレーがある場合はサーマルリレーを含めた組み合わせ評価がなされていなければなりません。

Q.制御盤全体のSCCRを向上できない場合、制御盤の1次側にトランスを設置することで制御盤の要求SCCRを下げることができるのはなぜでしょうか。

簡単に言うと「小さいトランスは二次側を短絡させてもそこまで大きな短絡電流は流れない」からです。トランスは、2次巻き線への短絡電流を制限することができます。制御盤は%Zを用いて算出したトランス2次側の推定短絡電流に対して十分なSCCRを満たせば良いということになります。

Q.特定のSCCRをもつバスバーを製作する場合、何らかの基準はあるのでしょうか?

UL508A SB4.1に定格表示のない部品の想定短絡電流定格が記載されています。そちらによるとバスバーは10kAと規定されていますが、SCCR以前にUL508や508Aに記載のバスバーに関する絶縁、スペーシングや容量などの要求を満たしたものである前提となります。また10kAを超えるSCCRが求められますがヒューズによる限流ができない場合は、個別に特定の保護機器との組み合わせ試験が必要です。

海外規格に関するお役立ち資料

海外規格制御設計者・プログラマー紹介

Engineer

技術営業部 部長 橋本 佳紀

盤製作、ハーネス加工、品質検査、工事とあらゆる技術に特化した三笠精機のエンジニア。
若さと情熱と体力を思う存分発揮し、「制御盤業界No.1を目指す」三笠精機のホープであり、これからの三笠を担う人材の一人である。
特殊品、数物、単品、特級品、サンプル品、デモ機等、どんなご要望でも迅速かつ丁寧に対応することを心がけて、お客様の「こんなものできるかな?」をカタチにしていこうと努めている。
より良い製品を作るためのプロセス(管理・環境・クオリティー)を常日頃から考え、お客様の立場になってモノづくりに励みたいと試行錯誤しながら日々努めている。