制御盤 海外規格 UL508A 規格対応

大規模生産ラインを構成する10以上の成形装置を対象とした過去最大級のプロジェクト

岡山県 大型成形装置メーカー・T社様
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導入前の課題(今回の依頼内容)

大型成形装置メーカーからの依頼。大規模生産ラインを構成する10以上の成形装置を対象とした、制御盤のUL508A(*1)規格対応を依頼いただいた。制御盤設計の技術的コンサルティングから、制御盤製造、ULラベルを貼る最終段階に至るまでを担当し、弊社が過去に手掛けた案件のうち最大級の規模となった。

導入効果

大規模案件ということもあり、お客様は特にコスト面を重視していた。UL508A認証制御盤は、一般的にアメリカの制御部品で構成するのが常套である。しかし、アメリカの制御部品は日本製品と比べてコストがかさむため、今回のように大型制御盤を10以上も組むとなると、部品調達面でのコスト負担がかなり大きくなってしまうのがネックであった。

とはいえ、日本の制御部品のみでの構成にこだわると、クリアすべき制限やそれ以外に考慮すべき兼ね合い等が増えるため、部品コストは抑えられるものの設計費用が高くなってしまう。今回の案件でお客様の要望事項を実現するには、製造費用と設計費用のバランスをどう取るかがキーポイントとなった。

そこで弊社のエンジニアから、アメリカの制御部品で制御盤を構成しつつ、設計コンサルティングについては段階を分け、まずは最も大きい代表型式のみを手がける方法を提案した。提案の理由として、納期に余裕があり、各型式が比較的類似した構成であったことが挙げられる。まず1台の設計コンサルティングを丁寧に実施することで水平展開を可能にし、2台目以降の設計費用を抑えられると考えられた。お客様からも快諾いただき、この方法でプロジェクトを進めることとなった。

1台目の設計変更は、元の設計図面に対して1から10まで丁寧な朱書きを行い、何度もお客様サイドのエンジニアからの質問に回答した。そして2台目以降は、あらかじめお客様が設計変更した図面から朱書きを行った。1台目でのやりとりを通じてある程度のポイントを理解いただけていたため、指摘箇所は大幅に減少し、最終的な設計コンサルティング費用は、1度に全装置の設計変更を引き受ける場合と比べて、1/3程度に抑えることができた。

UL508A認証制御盤メーカーで、かつ一品一様の制御盤設計ができる会社は非常に限られる。今回のような柔軟な対応は、設計と製造を一手に引き受けられる弊社だからこそ可能なものだった。納期に余裕があり、かつ類似機の多いご案件であれば、こうした方法もお勧めしたい。

ULラベル
  • *1 UL508A:アメリカ保険業者安全試験所(Underwriters Laboratories Inc.:UL)が定める製品安全規格のうち、産業用制御盤に対する規格。板厚や配線による空間距離などの構造的要求や、部品及びコンポーネントの使用条件を規定している。
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制御盤海外規格

数多くの海外規格案件をサポートした実績に基づき、海外規格に適合するための設計変更に加え、制御盤を搭載する装置全体に対する電気面、ハード面でのコンサルティングに幅広く対応いたします。
規格要求の厳しい欧州向けCEマーキング対応した案件について多数の実績があるため、ご相談いただく個別の案件においても的確かつ迅速な対応が可能です。また北米向けのUL508A認証制御盤の製造についても多数の実績がございます。
海外規格に適合した設計とともに、マニュアルを含むドキュメントの作成・整備、顧客との契約上の注意点や海外に装置を輸出する上での全般的なコンサルティングを提供いたします。

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