制御盤 海外規格 NFPA79 / UL508A規格対応

アメリカ自動車関連メーカーへの輸出に向けた設計コンサルティング、製造、UL508A認証ラベルまでトータルサポート

静岡県 産業用機械装置メーカー・T社様
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導入前の課題(今回の依頼内容)

産業用機械装置メーカー様からの依頼。大型の摩耗試験機の制御盤をアメリカの現地自動車関連メーカーに輸出するにあたり、設計コンサルティングから、製造、UL508A認証ラベルを貼る最終段階までの一連の海外規格対応を依頼いただいた。

導入効果

お客様はタイヤ摩耗試験機を過去に数度アメリカに輸出した経験をお持ちであったが、これまで日系の取引先であったため、規格対応を要求されたことがなかった。今回の取引先である自動車関連メーカーから、制御盤でNFPA79とUL508A(*1)に対応することを取引条件として提示され、初めて北米規格に対応することとなった。

アメリカで機械装置を稼働するには、規定執行官(AHJ)(*2)による据付検査を受ける必要があるが、制御盤にUL508A認証ラベルが貼付されていれば、検査のチェック項目が大幅に少なくなることが一般的である。しかし今回のエンドユーザーの所在地がある市は、AHJによるUL508A認証ラベルの添付が「強制」となっている自治体であった。

初めてNFPA79(*3)およびUL508Aの規格対応を行うお客様に対して、弊社から、設計変更箇所の解説や部品選定のアドバイス、建屋・装置・制御盤の配線に関する指導等、規格対応に関する広範囲なコンサルティングをきめ細やかに行った。装置としては比較的シンプルな構造であったため、設計変更もスムーズに進行した。お客様には、安心して任せられたと同時に、輸出に際して必要な情報を得られてクリアになったと喜んでいただくことができた。

アメリカには州法や市法があり、同じ法規でも自治体により採用している年度が異なる。その結果、その土地ごとの事情が存在する。NFPA79を取得しても、2015年度版を参照している州、2011年度版を参照している州、あるいは州としては参照せず市・群などの自治体ごとに要求している州等、様々である。

日本は罰則のないJIS規格を努力義務で守るレベルであるため、自治体による違いにはなじみが薄い。このような場所ごとの事情を知らないために、必要な規格対応が漏れたり、規格対応が不十分になったりしがちである。その結果、規定執行官(AHJ)から指摘を受けたり、場合によっては労働安全衛生庁(OSHA)から指示を受けたりすることとなってしまう。

UL508A認証制御盤メーカーである弊社は、こうしたアメリカの事情にも精通しており、エンドユーザーの位置する州や市に対応した設計・製作が可能である。

ULラベル
  • *1 UL508A:アメリカ保険業者安全試験所(Underwriters Laboratories Inc.:UL)が定める製品安全規格ULのうち、産業用制御盤に対する規格
  • *2 AHJ(Authorities Having Jurisdiction ):Authority Having Jurisdiction:米国では規定執行官が管轄するエリア(群・市・州レベル)で設備の設置方法、使用方法を決定する権限を規定執行官が有しています。火災・損害保険業の企業の担当者、消防署の担当者、場合によっては認証機関が担当をする場合もあれば、組織ではなくその役割を与えられた個人の場合もある。
  • *3 NFPA79(National Fire Protection Association):全米防火協会が定める産業機械用電気安全規格
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制御盤海外規格

数多くの海外規格案件をサポートした実績に基づき、海外規格に適合するための設計変更に加え、制御盤を搭載する装置全体に対する電気面、ハード面でのコンサルティングに幅広く対応いたします。
規格要求の厳しい欧州向けCEマーキング対応した案件について多数の実績があるため、ご相談いただく個別の案件においても的確かつ迅速な対応が可能です。また北米向けのUL508A認証制御盤の製造についても多数の実績がございます。
海外規格に適合した設計とともに、マニュアルを含むドキュメントの作成・整備、顧客との契約上の注意点や海外に装置を輸出する上での全般的なコンサルティングを提供いたします。

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