制御盤 海外規格 CEマーキング対応

大規模ラインにおける複雑な制御盤の設計・製作、膨大なマニュアル作成、輸出後のアフターフォローまで一貫してサポート

東京都 電気機器メーカー・F社様
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導入前の課題

電気機器メーカー様からの、全長1kmを超えるプラント設備用制御盤のCEマーキング(*1)対応の依頼。

輸出先は、EU加盟候補国であり、税関でCEマーキングの有無を検査する独自の運用体制を敷くトルコで、制御盤単体を対象としたCE自己宣言サポートの依頼をいただいた。

導入効果

まず制御盤の数が多く、それぞれの部品点数も相当多いだけでなく、リレーだけで数百個を使用するなど、回路構成も複雑であった。この点はノイズ対策の基準を満たす上でもネックとなるため、設計・製作にはそれぞれの盤の特性に適した工数を算出して対応することで、制御盤内に最適な配線ルートを構築でき、EMC試験を問題なくクリアすることができた。今回は、大型の制御盤ではあったが第三者認証機関に持ち込み、EMC試験と機械司令の各種試験を一気に実施したことで、納期を短縮することができた。

CE自己宣言に必須となる技術文書もボリュームが多く、マニュアルだけで102ページに及ぶ規模であった。通常はお客様が作成したマニュアル、リスクアセスメントシート、主要構成品リストに対してアドバイスを行うが、今回は記載内容が多岐にわたること、お客様サイドで作成すると納期に間に合わないことから、三笠製作所が一からマニュアルの作成を担当した。

制御盤と文書が揃い、お客様サイドで無事に自己宣言を行った後のトルコ輸出後に、輸送や荷降ろしの衝撃で制御盤内の絶縁碍子が破損し、端子台が脱落するというアクシデントが発生した際には、弊社からすぐにトルコにエンジニアを派遣し、部品を交換して事なきを得た。以来、輸送中の破損対策には一層注意を払っているが、今回のように仮にアクシデントが発生した場合でも、迅速なアフターフォローが可能である。

装置および制御盤が大規模であることに加え、ご依頼内容がCE低電圧指令・EN60204-1(*2)とEMC指令に基づく設計コンサルティング、マニュアルや各種ドキュメントの作成、第三者認証機関による試験の手配・審査時の立会など多岐に渡り、あらゆる面で過去最大級の案件となった。また通常であれば1年近くかかる案件を、お客様からの要求に従い、半年程度で完了させ喜んでいただくことができた。

複雑な制御盤の設計・製作、膨大な項目を網羅したマニュアル作成、輸出後のアフターフォローまで一手に引き受けることのできる企業は少ないが、今回のご案件は、弊社の総合力が発揮されたケースとなった。

  • *1 CE(European Conformity):EU圏で流通する製品が満たさなければならない欧州指令(法律)。製品の規格対応を適切に行い、その証拠となる書類を揃えて適合していることを“自己宣言”することで初めて表示が可能となる
  • *2 EN60204-1:幅広い機械装置の整合規格として機械装置の電気安全における基本的要求事項を規定している。CE低電圧指令と機械指令の両方の整合規格リストに登録されている。
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制御盤海外規格

数多くの海外規格案件をサポートした実績に基づき、海外規格に適合するための設計変更に加え、制御盤を搭載する装置全体に対する電気面、ハード面でのコンサルティングに幅広く対応いたします。
規格要求の厳しい欧州向けCEマーキング対応した案件について多数の実績があるため、ご相談いただく個別の案件においても的確かつ迅速な対応が可能です。また北米向けのUL508A認証制御盤の製造についても多数の実績がございます。
海外規格に適合した設計とともに、マニュアルを含むドキュメントの作成・整備、顧客との契約上の注意点や海外に装置を輸出する上での全般的なコンサルティングを提供いたします。

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